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Waters Japan

電子署名を使用して結果を承認する方法 - Tip 171

Article number: 95938To English version

目的または目標

2020 年のリモートワークの増加に伴い、多くの組織は、特に以前に印刷されたレポートに手書きの署名を使用していたデータの承認に苦労しています。英国の規制機関である MHRA は最近、このトピックに関するブログ投稿を公開しました。これには、リモート承認としての手書き署名の例が含まれています。

ラボで Empower ソフトウェアを使用すると、すでに GxP 準拠に必要なすべてのコントロールを含む電子署名機能を所有しています。


電子署名機能は Empower ソフトウェア基本ライセンスに組み込まれており、特別な有効化は不要です。署名は、署名権限を持つ任意のユーザーが、承認のために設定された任意のレポートメソッドに適用できます。

環境

  • Empowerソフトウェア

手順

Empower 電子署名検証補足資料
Waters Marketplace (marketplace.waters.com) から無料で入手できます。この検証補足資料は、組織での電子署名のセットアップおよび実装プロセスのガイダンスを提供します。これには、一連の電子署名要件、これらの要件を検証する正式なテストスクリプト、およびテストステップを要件にマッピングする要件トレーサビリティーマトリックスが含まれています。


ただし、規制に準拠した方法で電子署名を使用する前に、設定する必要のあるシステムポリシーが多数あります。規制下の企業には、これらの設定方法を選択する必要があります。正しい設定について不確かな点がある場合は、[GXP] または [ES] と関連するすべてのポリシーを読むことを推奨します。
[システム管理]画面のメニューオプション[表示] > [システムポリシー]から[システムポリシー]設定を設定するには、管理者レベルのアカウントが必要な場合があります。

一意のユーザーアカウント名
データインテグリティ、特に電子署名では、各ユーザーが本名で個々のユーザーアカウントを持ち、2 つのユーザーアカウントが同じ名前を持っていないことが重要です。[ユーザーアカウント]タブで[ユニークユーザーアカウントの使用]ボックスを選択します(図 1)。
注:このタブの他の設定はアカウントセキュリティに焦点を当てており、社内ポリシーに従って設定する必要があります。

Figure_1.png


結果の承認
[システムポリシー]上に[結果の承認]の設定専用のタブがあります(図 2)。
注:これらは会社の環境設定に従って設定し、[GXP] および [ES] ラベルを参考にしてください。

このタブで [GXP] または [ES] のラベルが付いていない唯一の項目は、[異なるユーザーによる承認 1 と承認 2 が必要]です。このオプションは、ユーザーが自分の作業を承認できないようにする方法の 1 つです。もう 1 つの方法は、アナリストに承認 1 の特権のみ、承認者に承認 2 の特権のみを与えることです。

Figure_2.png

署名権限の割り当て
電子署名の適用機能は、[ユーザーの種類 ES_Signature_Type プロパティ]の[メソッド]タブの 2 つの特権によって管理されます(図 3)。ユーザーは、1 つまたは両方の特権を持つことができます。

Figure_3.png

承認レポートメソッドの作成
署名は[承認]に設定されたレポートメソッドにのみ適用できます。このようなレポートメソッドを作成するには、[ユーザー種類のプロパティ]の[メソッド]タブにあるユーザー権限[承認レポートメソッドを指定]が必要です。
新しいレポートメソッドを作成するとき、「このメソッドを承認に使用することを許可する」ボックスを選択することが重要です。そうしないと、署名をそのレポートで使用できません(図 4)。

Figure_4.png

署名する前に十分に確認する
電子署名を使用してデータを承認することは、データインテグリティに大きなメリットをもたらします。評価者に Empower にログインして署名してもらうことで、レポートのために選択されたデータのみが含まれている印刷されたサマリーレポートに頼るのではなく、元の電子データについての適切で詳細かつ効果的なデータレビューが実現します。

例:サマリーレポートでは、特定のサンプルについてすべての成分が限界内であったことが示されることがあります。[プロジェクト]の[チャンネル]タブにアクセスし、選択したチャンネルに対して[指定のビューで表示] > [結果]を選択すると、そのサンプルのチャンネルデータから生成された 3 つの結果が表示され、3 番目の結果のみがレポートされていることがわかります。

クロマトグラムとピークの表を比較すると、以下の 3 つの結果にわたってベースラインが手動で調整されていることがわかります。
• 最初の結果では、API ピークの % 表示量が限界を下回りました。
• 2 番目の結果では、API ピークでは、限界よりわずかに低い % 表示量が得られました。
• 3 番目の結果では、API ピークの % 表示量が限界をわずかに上回っていました。

最初の結果(承認された自動解析メソッドで適用)の元のベースラインは、ピーク、開始点、終了点にわたって完全に許容範囲内でした。プロジェクトのオーディットトレイルを検討したところ、ベースラインが調整された理由を説明する記録はありません。これは結果を仕様範囲内に収めるための意図的なデータ操作である可能性が高く、サマリーレポートではわかりません。

追加情報

このコンテンツは、毎週ブログに投稿される Empower ヒント #171 にも記載されています。

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