ピーク同定:保持時間のレファレンスピークの使用 - Tip 310
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目的または目標
保持時間 (RT) のレファレンスピークを使用する。
環境
- Empower
- 今週の Tip #310
手順
ステップ 1
解析メソッドは標準試料を使用して開発され、ピークの名前はそれに応じて付けられます(図 1)。
ステップ 2
サンプルを分析し、8.033 分でピーク種類が[未同定]のピークを確認します。ピーク 3 および 4 は、[ピークの種類]が[未検出]であることを示します(図 2)。
ステップ 3
この例では、8.033 分でのピークはピーク 3 です。予想保持時間は 8.146 + 0.058 であるため、適切に同定されません。つまり、ピークを適切に同定するには、ピークが 8.088 ~ 8.204 の範囲内にある必要があります(図 3)。
ステップ 4
[解析メソッド]の[成分]タブの[RT レファレンス]フィールドで、ピーク 2 を RT レファレンスピークにします(図 4)。
Empower は以下の計算を行います。
(サンプルの RT レファレンスピークの RT/標準試料の RT レファレンスピークの RT) × 標準試料の対象ピークの RT、ここで、RT = 保持時間
実際の数値に置き換えると:(4.842/4.889) × 8.146 = 8.068
ステップ 5
ピークの予想範囲は現在 8.068 + 0.058 で、これは 8.010 – 8.126 に変換され、ピークが適切に同定されます(図 5)。
ステップ 6
絶対保持時間ではなく、相対 RT レファレンス値でピークを同定するオプションが使用できるようになりました(図 6)。
RT レファレンスピークを使用する際の重要な注意事項:
- RT レファレンスピークはすべてのクロマトグラムに存在する必要があります。
- これは、ピークが互いに近づいている、またはRT ウィンドウを小さく維持する必要があるクロマトグラムに適用できます。
- この調整された保持時間は、ピーク同定のみを目的としています。検量線には影響しません。
- [使用する RT レファレンス]フィールドを[レビュー]のピークテーブルおよびレポートに追加して、解析メソッドに戻ることなく、使用した RT レファレンスピークを迅速に同定できます。
追加情報
これは、Pro または QuickStart インターフェースで実行できます。