MS 3D 引き算を使用してバックグランドの影響を除去する方法 - Tip 111
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目的または目標
Get Empowered! へようこそお戻りになりました。Empower クロマトグラフィーデータソフトウェアに関する前回の Empower 今週のヒント記事で、CODA(成分検出アルゴリズム)を使用してピークを探し出す方法を学習しました(ヒント #110)。
今週は、MS 3D 引き算について紹介します。QDa 検出器がポリエチレングリコールなどの物質に汚染されていると、サンプル中のすべての MS スペクトルに影響する可能性があります。解析メソッドで MS 3D 引き算を使用することで、バックグランドスペクトルを差し引いてこの影響を除去できます。
それでは始めましょう。
環境
- Empower
手順
- まず、[レビュー]で 3D MS チャンネルの TIC プロットを見てみます。
ツールバーで[3D プロット]ツールをクリックするか、[ウィンドウ]メニューから[3D プロット]を選択します。プロットには、x 軸に時間、y 軸に強度、z 軸に質量が表示されます。青色に反転した低マス端での高強度に注意してください。

- [解析メソッド]の[MS 3D チャンネル]タブで、[MS 3D 引き算]を有効にできます。パラメータを見てみましょう。
- 引き算に使用できるピークのないベースラインの面積を特定します。[MS 3D 引き算を有効にする]ボックスを選択して、1 つまたは複数の時間範囲を[引き算]フィールドに入力します。時間範囲の入力には、時間の間に「:」を追加し、複数の時間範囲を区別するために「;」を使用します。Empower は、入力された時間に基づいて、他のすべてのスペクトルから差し引く平均スペクトルを計算します。
- 引き算を実行する前に、スペクトルに乗算する「値」を指定します。
- 強度が下回るとデータポイントが削除される「ノイズ基準」を指定します。この値には、ベースピークの強度のパーセントを入力します。
- Empower は[ピークの分離]を使用して、範囲内でバックグランドを除去し、単一マスを生成します。たとえば、値 2 を指定すると、299〜301 のすべてのマスが結合されて、300 の単一マスになります。

- メイン画面に戻り、クロマトグラムを再び波形解析します。[2D チャンネル]タブで、引き算したチャンネルを選択し、元の TIC プロットと重ね書きします。4.2〜5 分の間のベースラインおよびピークの変化に注意してください。

- [2D チャンネル]タブで、ベースライン引き算済みのクロマトグラムを強調表示して選択し、[3D プロット]ツールをクリックします。低マス範囲での強度が低減されていることに注意してください。

- [解析メソッド]に戻り、[ノイズ基準]の値を入力します。メイン画面でクロマトグラムを再度波形解析します。[スペクトル表示]画面の下にある[スペクトル]テーブルで、すべての選択を解除して 1 つのスペクトルのみを選択します。

- [スペクトルポイント]タブをクリックして、このスペクトルの各ポイントのマスと強度を表示します。[ノイズ基準]使用前後のポイントテーブルを比較すると、[ポイント数]が変わることがわかります。

簡単ですね!
追加情報
- 3D 引き算では、[生成チャンネル]を使用することもできます。[生成チャンネル]ではなく、[解析メソッド]の機能を使うのはなぜですか?すべてのデータを同じ方法で解析する場合は、[解析メソッド]を使用します。同じ解析メソッドでデータを解析し、引き算のためにクロマトグラムの範囲を変える場合は、[生成チャンネル]を使用します。
- この手順は、クイックスタートまたはプロフェッショナルインターフェイスを使用して実行できます。
- ACQUITY QDa 質量検出器は Alliance HPLC システムと適合性があります。
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