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ACQUITY UPLC FLR 検出器のエミッションモードで使用している場合、ゲインを変更すると感度は変化しますか? - WKB118420

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環境

  • ACQUITY UPLC FLR 検出器
  • 2475 マルチ波長蛍光検出器

回答

■ 蛍光検出器で取り込み可能なモード
エネルギーモード
直接的な蛍光強度を出力します。ゲインによって強度が変化します。検出上限:10000
エミッションモード
蛍光強度に検出器内部で補正計算をかけて出力するモードです。
水ラマンの相対値を用いて強度を算出します。
蛍光強度の値に、ノーマライズ時のラマン強度とゲインの値で補正をかけてエミッション強度を出力します。
出力値がゲインに左右されない取り込みモードで、検出器の個体差間・検出器の劣化による強度の差がないのが特徴です。

■ エミッションモードについて
検出器内部で以下の計算を実行して強度を出力します。
エミッションユニット = (取り込み時の蛍光強度 / 取り込み時のゲイン) × (ノーマライズ時のゲイン / ノーマライズ時のラマン強度) × 100

取り込み時の蛍光強度:直接的な蛍光強度でゲインの影響を受けている値
取り込み時のゲイン:取り込み時のゲイン値(装置メソッドで設定されている値)
ノーマライズ時のゲイン:ノーマライズ時に決定したゲイン値
ノーマライズ時のラマン強度:ノーマライズ時に得られたラマン強度

上記式より、エミッションユニットは 1 ゲインあたりの蛍光強度にノーマライズで得た値で補正をかけていることがわかります。
(ノーマライズではラマンの強度を一定に保つようなゲイン値を決定します。)
そのため、ゲインを変化させても強度は変化しません。

ただし、ゲインが大きすぎる場合、小さすぎる場合には、エミッションモードでも設定したゲインによって強度が変化することがあります。
取り込み時の蛍光強度が FLR で測定しうる上限(エネルギーモードの Max = 10000)を超えてしまった場合、エミッションユニットも振りきれてしまう場合があります。もし振りきれてしまった場合は、ゲインを下げてエナジーモードでの強度が 10000 を下回るゲイン値にすることで正しくピークを得ることが出来ます。
また、ゲインの値が極端に小さい場合にはエミッションモードでもゲインによって強度が異なる場合があります。
これは取り込み時の蛍光強度が小さすぎてエミッション強度を算出する際の誤差が大きくなることが原因だと思われます。

■ 結論
エミッションユニットは化合物に最適なゲインの範囲内でゲインを変化させた場合は、強度に変化はないが、
ゲイン値が大きすぎる、小さすぎるなど不適切な場合は、強度に差が出たり、振りきれてしまう場合があります。
エミッション強度を算出する際に、ゲイン値は計算の中で使用されますので、エミッションモードとゲインがまったく無関係ということではありません。

 

追加情報

 

id118420, A-30FL, Raman, UPBINARY, UPFLRARC, UPFLRDET, UPPFLR

 

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