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役立つ Empower ツール:[保持時間の更新]を使用したピークの同定 - Tip 340

Article number: 268121To English version

目的または目標

保持時間のばらづきが大きくなった場合は、[保持時間の更新]フィールドを使用してピークを同定する。

環境

  • Empower
  • 今週の Empower Tip #340

手順

ステップ 1
[保持時間の更新]フィールドでは、検量線の RT を調整します。これは、未知試料ピークを検索するために Empower が使用する RT に影響します。[保持時間の更新]によって、[解析メソッド]の[成分]タブにある[保持時間]フィールドで指定された値が変更されることはません。
[保持時間の更新]は、解析メソッドの[成分]タブにあります。既定の設定は[しない]で、この機能をオフにしています。その他の選択肢は、[置換]、[標準試料の置換]、[平均]、および[標準試料の平均]です。説明を以下に示します(図 1)。

  • 置換 – 検量線の保持時間は、クロマトグラムの検量線作成や定量が行われるたびに更新されます。
  • 標準試料の置換 – 検量線の保持時間は、標準試料の検量線作成が行なわれる場合にのみ更新されます。
  • 平均 - 検量線の保持時間は、クロマトグラムの検量線作成や定量が行われるたびに更新されます。Empower は最新の注入の保持時間を使用して、検量線の保持時間を平均します。
  • 標準試料の平均 - 検量線の保持時間は、標準試料の検量線作成が行われる場合にのみ更新されます。Empower は、標準試料の最新の注入の保持時間を使用して、検量線の保持時間を平均します。

Figure_1.png

ステップ 2
この例では、[保持時間の更新]を[標準試料の平均]に設定します。更新された RT を計算するために Empower が使用する計算を図 2 に示します。
Figure_2.png

ステップ 3
最初の標準試料の最初の注入で、キャリブレーション画面内の保持時間(時間(分))がクロマトグラムのピークの保持時間と一致します(図 3)。
Figure_3.png

ステップ 4
最初の標準試料の 2 回目の注入では、キャリブレーション画面内の保持時間は、ステップ 2 に示した式によって決定されます。実際の数値を代入します:
(10.297 × 2 + 10.295)/3 = 10.296(図 4)。
Figure_4.png

ステップ 5
最初の標準試料の 3 回目の注入では、キャリブレーション画面内の保持時間は、ステップ 2 に示した式によって決定され、10.294 の結果が返されます(図 5)。
Figure_5.png

ステップ 6
最後の注入(3 種の標準試料をそれぞれ 3 回注入)では、キャリブレーション画面内の保持時間は、ステップ 2 に示した式によって決定され、10.273 の結果が返されます(図 6)。
Figure_6.png

ステップ 7
情報提供を目的として、9 回の注入すべてについてピーク 4 の保持時間を含めています(平均、標準偏差、%RSD を含む)(図 7)。
Figure_7.png

追加情報

  1. 保持時間のシフト(増加または減少)に一貫性がある場合は、[置換]または[標準試料の置換]を使用することを推奨します。
  2. 保持時間が平均値を中心に変動する場合は、[平均]または[標準試料の平均]を使用することを推奨します。
  3. これは、Pro または QuickStart インターフェースで実行できます。
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